2006年02月21日

うちの子に「いただきます」と言わせないで。

ヤクザル調査隊の大先輩、Rinzoさんのサイトより。
学校給食の際に子供に「いただきます」と言わせないでと申し入れた母親がいたらしい。その理由はなんと「給食費を払っているから」。

いやもう、あきれて開いた口が塞がりませんでした。お金を払っているからいただきますと言わなくて良いーーー何という斬新な考え方なのでしょう。僕にはとてもこういう発想はできません。だって、「いただきます」と言う相手は、料理を作ってくれた人や、そして何よりも、自分が食べるために命を犠牲にしてくれた動植物でしょ?Rinzoさんも書いておられるとおり、「人も生態系に含まれる」という意識がいつの間にか失われてしまったのでしょうか。その点も含めて僕の意見はRinzoさんと全く同じでした。

小学生の子供がいるのだから、この親は、どんなに若くても僕と同年代くらいでしょう。同じ時代に育ってきた者として、どうすればこのような発想をするようになるのか、とても興味があります。親の育て方によるものなのでしょうか、それとも自分でこのような考え方を身につけたのでしょうか。

この論争の元になった、永六輔さんのラジオ番組を採り上げた毎日新聞の記事はこちらです(元記事はリンク切れになっているのでキャッシュを載せておきました)。こちらを見るとその番組に対するリスナーの反響も紹介されていて、どうやら「お金を払ってるんだからいただきますという必要はない」と考えている人が一定数いるらしいということが分かりました。いったい、いつから全てのことがお金を中心に考えられるようになったのでしょうか。

話は少し逸れますが、お金を払えば何をしても良いという考え方はこれだけではありません。某娯楽施設について以下のような話を聞いた事があります。その施設ではイベント終了後にはいつもゴミが散乱しています。入場者がゴミをゴミ箱に捨てないでその場に捨てて帰るからです。きちんとゴミ箱に捨てる人や、他人の出したゴミまで集めて持って帰る人もいますが、一部の人はそんな人たちを見ても散らかしっぱなしにしたままです。ゴミを片づけない人の言い分は「入場料には清掃費も含まれてるんだから片づけなくて良い」「それにゴミを片づけると清掃業者の仕事を奪うことになる」。ここにもお金しか見えない人たちがいます。自分の出した物の後始末をすることは、お金を出しているかどうかの問題ではなく、当然すべき最低限のことではないでしょうか。

いただきます、ありがとう、すみません、などなど。これらは誰かに強制されて言うものではなく、自然とわき出てくるものだと思うのです。それが他者・自然と関わりながら生きていく者の当然の心の表現ではないのでしょうか。  

Posted by mikan@Seattle at 23:02Comments(2)TrackBack(0)miscellaneous

2006年02月17日

初のMac OSX ウィルスが出現

through ITmedia。OSがUNIXベースになった時点でウィルスは増えるだろうなと思っていたがようやく出てきましたか。今のところiChatは使ってないから問題はないけど、iChat 以外でも感染するのが出てくるだろうし、インテルプロセッサ搭載でウィルス作製も簡単になるだろうし、対策を真剣に考えないとなあ。  

Posted by mikan@Seattle at 13:08Comments(0)TrackBack(0)net

2006年02月09日

時期・組織・アリル特異的なメチル化による遺伝子発現の制御

Dominance relationships between self-incompatibility alleles controlled by DNA methylation.
Shiba H, Kakizaki T, Iwano M, Tarutani Y, Watanabe M, Isogai A, Takayama S.
Nat Genet. 2006 Jan 29; [Epub ahead of print]


対立遺伝子間の「優劣」により特定のアリルのみが発現抑制される仕組みが明らかになりました。

 植物の自家不和合性に関わる遺伝子SP11には複数の対立遺伝子があることが知られている(なぜ複数のアリルがあるのか、自家不和合性はどのようなメカニズムで維持されているかについては省略します)。仮にそれらのアリルをSP11-S1, SP11-S2,・・・SP11-Sn と呼ぶことにする。これらのアリルはヘテロになった場合(例えば1つの植物がSP11-S1とSP11-S2を持つ場合)、多くの場合はSP11-S1とSP11-S2の両方の表現型を示す。しかし中にはどちらか一方のみの表現型を示すことがあった。例えばSP11-S52 とSP11-S60 を掛け合わせて作ったヘテロな植物(SP11-S52/SP11-S60)はSP11-S52の特徴を示す。SP11-S60アリルを持っているにもかかわらず、である。つまりSP11にはアリルによって表現型の「優劣」がある、ということである。
 遺伝子の発現を調べた結果、上記のヘテロ植物ではSP11-S60の発現が抑制されていることが分かった。しかし、このヘテロ植物を自殖させて得られた次世代の植物では、SP11-S60ホモ植物ではSP11-S60は発現するように回復していた。そしてSP11-S52/SP11-S60ヘテロ植物ではSP11-S60は相変わらず発現していなかった。つまりSP11-S60の発現抑制はSP11-S52があるときにのみ見られる現象だということである。
 動物・植物とわず生殖系列の細胞などで父親または母親由来のどちらか一方の遺伝子の発現が抑制されることがある。例えばシロイヌナズナのFWA遺伝子は胚乳において、父親から受け継いだアリルがメチル化により抑制され母親由来のアリルのみが発現する(Kinoshita et al., 2003)。ではこのSP11遺伝子も同じなのかと、父親・母親でSP11-S52とSP11-S60を入れ替えてヘテロ植物をつくってみても、必ず SP11-S60の方が抑制されていた。つまりこのSP11の例は、既存のアリル特異的発現抑制機構とは異なることが示唆された。
 次にこのヘテロ植物でSP11遺伝子のプロモーター領域のメチル化を調べてみると、SP11-S52はほとんどメチル化されていなかったがSP11-S60の方は高度にメチル化されていた。またメチル化されているのは葯のタペート細胞だけであり、他の組織ではメチル化はほとんど見られなかった。タペート細胞でもSP11遺伝子が発現する時期の直前のみでメチル化が見られ、他の時期では高度なメチル化は見られなかった。これらの結果から、SP11-S60がヘテロ植物で発現しなくなっているのは、SP11遺伝子が発現すべき時期にメチル化されているからだと示唆された。しかもこのメチル化は他の組織や発生段階ではおこっていないことから、SP11遺伝子が発現すべき時期にあわせて新規に起こっていることが示唆された。
 ではメチル化されるのはSP11の中でもSP11-S60だけかというと、表現型の「優劣」が見られる他の組み合わせでもみられた。例えばSP11-S40/SP11-S44のヘテロではSP11-S44の方がSP11-S40より優性だが、このヘテロ植物ではSP11-S40の発現のみが抑制されていた。また、SP11-S60とSP11-S29の組み合わせでは(SP11-S60の方がSP11-S29より優性)、SP11-S60は発現していてSP11-S29が抑制されていた。つまり、優劣のある組み合わせの時、常に劣性のアリルのみが、タペート細胞のみで発現抑制されている、ということが明らかになった。
 1つの遺伝子座について2種類の対立遺伝子をもちヘテロになっているとき、一方の表現型を示す場合は、表現型を示す方が機能型アリルで示さない方が機能を持たないアリルである、というケースばかりだった。今回の発見は、機能を持つアリルでも組み合わせによって発現が抑制される(しかも本来機能する時期・組織特異的に)ということを明らかにした点で非常に意義深い。
 今回の報告からは、どのようにして特定のアリルを見分けて抑制しているのか、そのメカニズムまでは明らかになっていない。どのような分子がこの抑制機構に関わっているのか、興味深い。  

Posted by mikan@Seattle at 23:54Comments(0)TrackBack(0)science

2006年02月08日

再開

しばらく休んでいました。この間、D論の予備審査や公聴会、セミナー発表などの行事が目白押しでまとまった時間が取れませんでした。ようやく少し落ち着いたのでブログも再開します。ぬけているところはそのうち気が向いたら書くかもしれません。

今日は水難の日でした。
先輩とのディスカッションの最中になぜかマグカップが倒れて机の上がコーヒーでびしょびしょになりました。ノートパソコンは下にひいていたクッションが水分を吸ってくれたおかげで無事でした。でも横に積んでた論文が茶色くなってしまいました・・・。
夜、いきなり火災報知器が鳴りだしました。火元はうちの研究室付近と表示されていましたがもちろん研究室内に問題はありません。しかし集まってきた他の研究室の人たちは、うちの研究室が何かしでかしたんだろうと白い目で見ています。結局、原因は上の階からの水漏れでした。ほとんど使われていない倉庫の天井にシミができていてそこの報知器が反応したのでした。  

Posted by mikan@Seattle at 23:20Comments(0)TrackBack(0)diary